IFDB版『Adventure』を遊んでみた
『ハーフリアル』で紹介されている通り、『Adventure』は最初の(とされる)アドベンチャーゲーム。
1976年に開発されたもので、かーなり古い。ちょうど40年前ですね。
開発当時の対応機種(?)は DEC 社の PDP-10 とかいうメインフレームコンピュータ。『スペースウォー!』が遊べた PDP-1 の後継機ですね。
パーソナルなコンピュータの世代としては「メインフレームって、ちょ、おまwwwwww」って感じです。
遊べるかなー古いし遊べないだろうなーと思ってググったら遊べました。流石21世紀。
ちなみにジャンルは「インタラクティブフィクション」とか言うそうです。「~ゲーム」って言わないんですね。
黎明期のジャンル名がどう付けられていたのか漁るのも面白そうですね。
なお、紹介先の海外Webページについては一応トレンドマイクロ社のページで安全性評価をしていますが、リンクを踏むのは自己責任でお願いします。
Trend Micro Site Safety Center - トレンドマイクロ社 https://global.sitesafety.trendmicro.com/index.php
どういうゲーム?
洞窟を探検し、様々な危険を乗り越えながらスコアを稼ぐゲームです。
舞台となる洞窟は、実際にアメリカの方に存在する自然公園らしいです。
稼いだスコアに応じて称号がもらえます。
テキストベースで進むため、マップとかは自分の頭の中で描く必要があります。
色々頭の中で想像しながら進めていってください。
ちなみに普通に死にます。
ついでにいうと、コマンドに対しても"Adventure"する要素があるので、色々打って試してみてください。
なお、help コマンド打って説明を見てもらえれば分かる通り、完全なオリジナルでは無いそうです。
ただそこまでこだわりは無かったのでプレイしてみました。
下記で紹介するリンクにオリジナルと思われるソースコードがあるので、プログラミング詳しい方はそちらをコンパイルしてみてください。
IFDB版『Adventure』&攻略サイト
ファイルを DL したりするものもあったのですが、動かすのに必要な parchment.js の使い方がよくわからなかったので割愛します。
自分が遊んだのは IFDB(the Interactive Fiction Database)の中にあるものです。
IFDBは、インタラクティブフィクションのゲームを集めている、草の根デジタルアーカイブプロジェクト的なものでした。
ゲーム自体のリンクはこちら↓
まずアクセスしたらページ右端の「Play On-line」ってボタンをクリックしてください。
それでゲーム画面にアクセスできます。
「>」ってところに英語でコマンドを打っていくことでゲームが進みます。
ちなみに help コマンド打って説明書読むこと推奨。
テキストベースだけあってゲーム状態を頭のなかでシミュレートしないといけないのですが、その手がかりになります。
というか「チュートリアル何それ美味しいの」な時代のゲームなので、読まないと何したらいいかわからなくて詰みます。
死んでも覚えません。
もうちょっとインターフェースがしっかりしているのはこちら。
こちらは1983年版のものになります。
攻略サイト
遊んでみたところ初っ端から躓いた(蛇をどけられない)ので、攻略サイト無いかなとググったら以下の日本語ページを見つけました。
結構丁寧目に書いてあって安心。とりあえずこれ見たらクリアはできそう。
ソースコード&解説論文
どういう仕組なのかなーと気になった方へ。
まず、ソースコード自体はこちら↓
Index of /~don/jerz(個人サイト内のリポジトリ?) http://www.icynic.com/~don/jerz/
使用言語は FORTRAN です。CとJSくらいしか知識が無い&経験も無いトーシローなので読むのは諦めました。
時間ができたら FORTRAN 読めるようになってちゃんとコード読めるようになりたいな……(遠い目)
それ以前に FORTRAN と縁がなさすぎる……
そして、ソースコードの解析とかをこちらの論文でやってるぽいです。ただし英語。
Jerz, 2007, "Somewhere Nearby is Colossal Cave: Examining Will Crowther's Original "Adventure" in Code and in Kentucky", Digital Humanities Quarterly, Vol.1, No.2
http://www.digitalhumanities.org/dhq/vol/001/2/000009/000009.html
人文情報学(Digital Humanity)系の学術誌に掲載されている論文らしいです。一応査読付き(peer-reviewed)。
開発者の家族に対するインタビューや、最初に書かれた1976年版のコードと1977年版のコード比較、舞台となった洞窟のある国立公園へのフィールドワーク結果などが書かれてます。
文化史的な位置づけが必要にはなりますが、コードがあるとこういう面白い研究もできるんですね。
研究方法論としても勉強になります。