ゲームしている人のブログ

デジタルゲームとその研究に関することを書いていきます

勉強会で得られたこと

 2016/09/21に、大学の友人主催の勉強会に行き、牧野氏の文献および論文を読んだ際の疑問点を色々聞いてみました。
 このページでは、勉強会を踏まえて、疑問点への解決を書いていきたいと思います。
 一部記憶が曖昧なので、間違っていたら失礼。
 主に聞いた話をまとめたのに近いので、カテゴリは「雑記」です。



 ちなみにここで挙げる疑問点は、以下のページから導き出しています。
 いきなりこのページを読む前に、まず以下のページをご覧ください。

use-k.hateblo.jp

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牧野氏の文献および論文について

 まず、今回の文献および論文を読む勉強会に自分が参加したのは、研究の方法論を学ぶためです。ここで学んだことを、自分の卒論や、院進後の研究に活かすために参加しました。
 そのため逆に言えば、方法論と直接的に関係ないところは完全に無視して読んでいます。なぜなら自分と直接関係ない研究対象に対して理解を深める必要性も、その余裕もないからです。自分は何よりもまずゲームの研究について理解を深めたいのです。

 さて、というわけで以下では文献を読んだ上で浮かんだ方法論的疑問について書いていきます。
 内容についての疑問は全く触れていないので、その辺はご理解ください。

疑問点の復習

 では、以前のページで取り上げた疑問点についておさらい。
文献→論文と読んでて、以下の点でわからないことがありました。

  • 3.分析を平板化してしまうことは、どの水準で問題となるのか
  • 4.「資料内在的に把握できる」(p.152)というのはどういうことか?
  • 5.ネットの情報資源について言及がないのは大丈夫なのかしら:「暗黙の了解」で通っているのか?
  • 6.実際に「自己分析」で検索してみたけどその通りの結果が出なかった。どのように803冊という結果を出したのか?
  • 7.「中核的カテゴリー」とは何か?

これらの内、6番と7番の疑問点以外はある程度の答えがもらえました。
(6番については誰も試した人がいなくて「マジか……」となりました。これ自体は本を絞り込む方法論として気になっていただけなので、大学図書館のセミナーに行けばちゃんとしたことを知ることができそうです。また7番の解決については、ぶっちゃけそこまで期待してなかったのであまり気にしてないです)

さて、それでは上記の疑問点がどのように解決したのか書いていきたいと思います。

3.分析を平板化してしまうことは、どの水準で問題となるのか

要するに、「なんで『平板化』が問題になるの?」という疑問です。
 この疑問を細かく切り分けた上でざっくり回答してしまうと、以下の通りになるかと思います。

  • A.そもそも「平板化」とはなんぞや:事象との相互作用を行わない形でなされる理論の適用
  • B.「分析を平板化」することで何が起きるのか:既存の理論が抱える難点が保存される
    • そしてそれにより、事象を適切に説明できない自体が発生する

 さて、実は上記2点だけでは見出しであげた質問には答えきれてません。
 以下ではこの回答について、不完全な理由も含めて少し詳しく述べたいと思います。


 まず、「なんで『平板化』が問題になるの?」という疑問を、一度に答えようとすると事故るので、もう少し細かく切り分けましょう。

  • A.そもそも「平板化」とはなんぞや(用語に関する疑問
  • B.「分析を平板化」することで何が起きるのか(当該行為の出力内容に関する疑問
  • C.平板化したことによる結果を、どういった水準で問題にしているのか?(問題とする基準に対する疑問

 なんとなくで恐縮ですが、上記のようにわけられるかなと思います。
 そして勉強会で(特に切り分けず見出しそのままで)質問したところ、次の感じで答えが得られました。

  • A.そもそも「平板化」とはなんぞや:
    • 「安易な還元論」として考えると良い→還元論とは?:複雑な事象を単一の理論で説明すること
    • ということは、事象との相互作用を行わない形でなされる理論の適用、ということ?

確かに学問ゲームで言えば、理論の正当性は実証研究で証明するのが筋だったと思います。

  • B.「分析を平板化」することで何が起きるのか:既存の理論が抱える難点が保存される
    • そしてそれにより、事象を適切に説明できない自体が発生する

 これについて勉強会では、資料の分析を精緻に行う必要性がなくなる、といった回答をもらったのですが、自分としてはその回答の意味がよくわかりませんでした。なぜかと言うと、分析を行う必要性がなくなることがどの水準で問題とするのかが分からなかった、というより方法論的な問題として受け入れることができなかったからです。 (邪推するのであれば、分析を行う必要性のロストは学者にとっては飯の種が消えることになるので、そういう意味で問題になるのであれば、わからなくもないです)

 というわけで後日自分で何が起きるのか考えてみたところ、上記の通り問題点が保存されるということになるのかなと思いました。自分一人で考えると、少々一般的でつまらないですね。
 さて、この通りBに対して自己解決してしまったため、Cについても自己解決しようと思った(というかするしかない)のですが、満足の行く回答が得られるまで自分で調査していたら、予想以上に時間がかかりそうなので、今回は保留にしておきます。
 疑問が残るのはちょっと気持ち悪いですが、ここに拘るのは本意ではないので。
 今度ゼミで合宿があるので、その際に先生からヒント、あるいは答えをもらってこようと思います。

4.「資料内在的に把握できる」(p.152)というのはどういうことか?

 この疑問については、以下の回答を得ることができました。

  • 「資料内在的に把握する」という行為の具体的内容:大量の資料を読み比べながら、そこから全体図を描き出すこと

 要するに、単なる国語の問題でした。やはり普段から難しい本を読んでいないと、こういった言葉遣いに対応できないですね。 (資料から帰納的に~、という言葉遣いじゃダメなのか、と思ったのは秘密です)

5.ネットの情報資源について言及がないのは大丈夫なのかしら:「暗黙の了解」で通っているのか?

 この疑問については、以下の回答を得ることができました。

  • p.154で「インターネットの普及に伴う同種情報の拡散」と書いているので、暗黙的に、網羅的な分析になる、としているのではないか
    • 同時に、ネット情報を網羅的に調べたらまた異なる結果が出てくる可能性もある

 これも国語の問題ですね。上記の質問ともに博士の人が答えてくれました。
 さすが博士は違いますね。

残った疑問点まとめ

さて、今回の勉強会後に残った疑問点は以下の通りです。

  • 3-C.平板化=(安易な)還元論の学術的な問題点はなにか
  • 6’.文献検索に使えるデータベースにはどんなものがあり、どのようにして使うとよいか
  • 7.「中核的カテゴリー」とは何か

これらの疑問点は、今後大学で生活する中で解決していきたいと思います。

終わりに

 回答をもらったものについて振り返ってみると、知識不足による疑問が1つ、国語力不足による疑問が2つありました。
 もっと勉強して難しい本も読め、ということですね。精進します。

 ちなみに今回、なぜわからないのかを意識して疑問点をまとめていったら、欲しいコメントを欲しい形でもらえることがわかりました。要件定義って大事ですね。


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