牧野智和(2016)「「ほとんど全部」を読む」『最強の社会調査入門』ナカニシヤ出版
『最強の社会調査入門』(前田拓哉ほか、2016、ナカニシヤ出版)の第14章、「「ほとんど全部」を読む」(牧野智和、pp.173~186)の読後レジュメです。
大学で研究の方法論を学ぶ勉強会に参加しているのですが、そこで今度扱う文献です。
牧野氏が書かれた論文「「就職用自己分析マニュアル」が求める自己とその機能」(2010、日本社会学会の『社会学評論』掲載)とセットで読むことで、論文に通ったという点で信頼性のある研究手法を学ぶことができるかと思います。
本ページでは軽く得られた内容について説明し、「手法を学ぶ」という目的で論文を読む際に注目するべき点を考えます。
実際にその注目するべき点を意識して当該論文を読んだページは↓です。
合わせてお読みください。
読んだところの構成
- 自己分析」を分析する?
- 分析対象を定める
- 分析対象を絞り込む
- たくさんのメディア資料を分析する
この箇所で得られる内容
- 事象分析の全体像を描くのに、書籍の分析も有効
- 量的特性の分析をした後に、質的な分析(=印象的な文言を元にした分析)を行うのが良い
- 書籍は物によっては小見出しレベルでのデータベースが存在する
- データベースでヒットしたものを、「自覚的な論点を扱っている」として扱うことができる
- 量的特性の分析を行う手法として、使用されている要素のリストアップ・カウントが有効
- ある程度分析対象を絞ることも可能
- 基準としては、「読む意味」がないとどれだけ言うことができるか
読んだ時点での不明点、論文を読む際の期待点
1.論文内では、どのように自己分析本の分析を行うことを正当化しているか
これは要するに、論文内で「自分の手法は科学的ですよ~」とアピールするのにどういったレトリックにしているのか、という疑問です。
自分も論文を書く際に参考にしたいと思います。
2.紹介している手法を、具体的にどのように用いているか
- A.使用したデータベース(以下DB)
- B.データベースをどのように使用したか
- C.要素のリストアップ方法:プレ分析シートをどのように作ったか
- D.読む意味がないことの正当化をどのように行っているか
これも上記の疑問と同じ系統のものです。
次の記事
これらの点を踏まえた上でこの方が書かれた論文を読んだ際のまとめが↓のページです。
本ページと合わせてご覧ください。